計見 一雄
統合失調症あるいは精神分裂病 精神病学の虚実
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人気ランキング : 22309位
定価 : ¥ 1,890
販売元 : 講談社
発売日 : 2004-12-11 |
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職人の話を聞けた |
統合失調症の初期治療に関して学ぶのによい本。脳の働きが明らかになるにつれて現在問題となっていることも違ってみえてくることに希望が持てる。できれば退院後の治療についても読みたいと思った。
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断絶それとも連続? |
「精神現象も生物学的原理で説明できるはずだから、・・・グラデーションがあるのが当然で、それを不連続で断絶的にとらえているのは、・・・西欧哲学の思弁を受け継いでいるせいかも知れません。」
この文章は、第2回講義P39?40の「始まったばかりの分裂病の脳ではどうなっているんだ、ということが知りたくても照合できないことになります」と対応しているだろうか。始まったばかりの分裂病という概念が現時点では、構築不可能だから上記のような言説が出てくるのであり、もし分裂病をスペクトルとするなら、西欧哲学の思弁を持ちださなくても議論は可能なのではないか。
さらに私は、夢想する。まさか、グラデーションではなくてスペクトルであるとしたら、・・・勾配が急激的なスペクトルだから、異質性と認識されてしまうのではないか?
ああ、分からない!!今日もハロペリドールを飲まないと眠れないようだ。
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精神科臨床で働くすべての方に |
私は一般科から精神病院に移り9年がたとうとしています。薬物関連精神障害について専門的に勉強してきました。薬物関連の患者の行き着く先は統合失調症と病状が定着してしまい長い入院生活を送っている患者さんも少なくありません。この本を読んで、いかに私が傲慢であったことや、患者さんに余分な負担をかけていたことに対し反省させられました。まず「病識」について、患者と話する機会があれば「自分のことを病気だと思いますか」などと(今から思えば)「偉そうに」知ったかぶりなお節介をかけていました。精神科患者さんとの接し方がわからない方(統合失調症)、壁にぶつかっている方、そして医師を含めすべての医療従事者におすすめです。きっと新たな発見ができますよ、素晴らしいです。
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分裂病の神秘のヴェールを剥がし「単なる脳の運動機能障害だ」と |
これまで読んだ分裂病というか統合失調症に関する書籍では、もっと分かりやすいというか納得的。
計見さんの主張は精神分裂病とは脳の機能障害という普通の病気である、というもの。患者たちは簡単な行動さえも"貫徹"できず途中でやめてしまう場合が多く、それによってたまったフラストレーションを爆発させてしまうことになる、という。ならば、一連の行為を分割して、ひとつずつできるようにしていく、という方向に持っていけば保護室からも出られるようになるし、退院も可能になる。分裂病患者の問題は「運動を組み立ててまとまりのある行為をする能力」(p.152)なのだと言い切る。ではなぜ簡単な行動が貫徹できないかというと、妨害的な刺激(脳内妨害刺激)によって行動が完結しないからだ、と。そして行動が完結しないと衝動とリアリティの仲介者である自我装置(エゴ・アパレータス)が壊れる、とハルトマンを引きながら説明する(p.168)。
計見さんのまとめはこうなる。「ヒトにとっての現実とは、運動行為を脳内で準備するときに発生する世界の絵(リプリゼンテーション)である。その準備活動に従事する責任部位は大脳皮質前頭葉の四六野を中心とする部位で、準備(計画)作成のために、この部位が脳内の他部署を強力に統制して、世界の意味づけやそこで行おうとしている行動の持つ意味、社会的コンテキストその他の重要な情報をメモリーから調達する。行動計画を作成する機能が統合機能であり、これが不適切だったりバラバラであったりすると、合理的行動はできなくなる」(p.271)。
幻覚のほとんどは過去への怨恨か、未来への憧憬であり、それによって現在がおろそかになるのが問題の本質なのだという。様々な欲望をもっているけど、社会的制約があるからすぐには満たされないことが多い。こうした矛盾をなんとか抱えながら、統合していくのが自我装置の機能なのだ、ということらしい。